LESSON 01

生殖・発生・遺伝の入試総合

発生の表と遺伝の比を計算し根拠を示そう

「生殖・発生・遺伝の入試総合」第4段階。発生の割合と遺伝の比を意味とともに読みます。

発生の表と遺伝の比を計算し根拠を示そう

このレッスンの役割

このレッスンは「生殖・発生・遺伝の入試総合」6レッスンの4番目です。前のレッスンで、遺伝情報が分かれ、合わさり、体細胞へ保たれる流れを理解しました。ここでは、発生の表と遺伝の個体数を、意味を失わず計算します。

完成の目安は、割合の分母を正しく選び、発生段階の分布を比較できること、遺伝の理論比から予想数を求め、実測値とのずれを根拠つきで評価できることです。

知る・理解する

生物のデータ問題では、計算前に「何を全体とする割合か」を決めます。80個の胚のうち32個が4細胞期なら、4細胞期の割合は32÷80×100=40%です。32を別の段階の個数で割ってはいけません。

異なる時刻の発生段階を比べるときは、同じ時刻の観察総数を分母にします。後の時刻で4細胞期以降の割合が高ければ、発生が進んだと読めます。ただし、観察個数が違う二群を個数だけで比べると、全体数の違いにだまされます。

遺伝の比では、親の遺伝子型から理論比を導き、合計個体数に割合をかけます。Aa×Aaで表現型比3:1、合計240個体なら、顕性180個体、潜性60個体が理論上の予想です。実測値は偶然で少しずれます。

発生の割合と遺伝の比を読む二つの計算左は80個中32個が4細胞期なので40パーセント。右はAa同士240個体で理論比3対1から顕性180、潜性60を予想し、実測176と64を照合する。式の前に、分母とモデルを決める発生段階の割合観察した胚:80個4細胞期:32個32÷80×100=40%分母は同じ時刻の観察総数遺伝の予想と実測Aa×Aa、合計240理論比 3:1顕性180潜性60実測 176:64少しずれつつ3:1に近い割合は比較の道具、比は仕組みから立てた予想

計算結果だけでなく、何を意味するかを言葉に戻します。「40%」なら「80個の胚のうち40%が4細胞期だった」、「176:64」なら「理論上の3:1に近い」と、問題の現象へ戻すことが大切です。

具体例で使う

同じ種類の受精卵を同数ずつ20℃と25℃で育て、12時間後に各100個を観察したとします。20℃では4細胞期以降が38個、25℃では67個でした。割合は38%と67%です。同じ時刻に25℃の方が後の発生段階にある割合が高いので、この範囲では25℃の方が発生が速く進んだと考えられます。

別の資料で、Aa×Aaから生まれた240個体のうち、顕性176個体、潜性64個体だったとします。理論値は180と60です。実測はそれぞれ4個体ずれていますが、全体として3:1に近い結果です。

二つの計算は見た目が似ていますが役割が違います。発生段階の割合は二群の状態を比較するため、遺伝の理論比は仕組みから予想を立て、観察値と照らすために使います。

誤答を直して次の学びへつなげる

「20℃で38個、25℃で67個だから25℃が速い」は、両群の総数が同じと確認して初めて成り立ちます。総数が50個と200個なら、割合へ直す必要があります。

「顕性176、潜性64は3:1に完全一致しないので誤り」は、理論比を決まった個体数と混同しています。理論比は確率にもとづく予想で、実測値にはばらつきがあります。

「計算できたので説明は不要」も入試では不十分です。分母、比較条件、理論モデルのどれを使ったかを短く書くと、計算が現象の根拠になります。

次は、正しい計算ができても起こる、生殖と遺伝の概念的な混同を、証拠と仕組みで修正します。

自分で確かめよう

確認1:120個中48個が8細胞期なら、その割合は?48÷120×100=40%です。
確認2:Aa×Aaで合計360個体なら、顕性と潜性の予想数は?顕性は360×3/4=270個体、潜性は360×1/4=90個体です。
確認3:二群の個数をそのまま比べてよいのはどんなとき?両群の観察総数が同じと確認できるときです。総数が違うなら割合に直します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。