未知の形質資料から遺伝と環境の証拠を選ぼう
このレッスンの役割
このレッスンは「形質と遺伝」6レッスンの6番目です。形質の定義、比較実験、因果モデル、割合、誤答修正を未知資料へ統合します。完成の目安は、ある形質に遺伝と環境がどう関わるかを資料ごとに評価し、結論を強める追加実験を選べることです。
知る・理解する
未知資料は、①調べる形質を具体的にする、②親子の傾向を見る、③遺伝的条件をそろえて環境を変えた結果を見る、④環境をそろえて系統を変えた結果を見る、⑤結論の範囲を決める、の順に読みます。
親子の一致率が高い資料は遺伝との関係を支持します。同じ系統でも環境で値が変わる資料は環境の影響を支持します。両方があるなら「どちらか一方」ではなく、遺伝情報を土台に環境で現れ方が変わると説明します。資料にないことまで断定しません。
具体例で使う
植物Xについて、資料Aでは親が高い群の子の70%、親が低い群の子の35%が高く育ちました。資料Bでは同じ系統でも栄養が多い群の平均が18 cm、少ない群が11 cmでした。Aは遺伝との関係、Bは環境の影響を支持します。したがって「草丈には遺伝情報と栄養条件の両方が関係する」と結論づけます。
より強く確かめるには、複数系統を同じ栄養条件で育て、さらに各系統を複数の栄養条件に分けます。個体数を増やし、平均とばらつきを記録します。
誤答を直して次の学びへつなげる
「Aで70%だから遺伝だけで決まる」は、30%の違いと環境条件を無視しています。「同じ環境なら遺伝以外の差は完全になくなる」とも限りません。実験でそろえられていない条件や個体差が残るため、結論の言い方を資料の範囲に合わせます。
次の「顕性・潜性」では、対立する形質に関わる遺伝子の組み合わせから、どちらの形質が現れるかを記号で整理します。
自分で確かめよう
確認1:親子の一致率が高い資料は何を支持する?
その形質と遺伝情報の関係を支持しますが、それだけで完全には証明しません。確認2:同じ系統で環境を変える目的は?
遺伝的条件をそろえ、環境による形質の変化を調べるためです。確認3:遺伝と環境の両資料に差がある場合の結論は?
遺伝情報と環境の両方が形質の現れ方に関係すると説明します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。