顕性を強い・多い・優れた形質とする誤解を直そう
このレッスンの役割
このレッスンは「優性・劣性ではなく顕性・潜性」6レッスンの5番目です。意味、純系交配、遺伝子型、個体数データを使い、顕性・潜性という言葉から生じやすい誤解を修正します。完成の目安は、顕性を現れ方の関係として説明し、価値・頻度・生存力と区別できることです。
知る・理解する
顕性形質は、異なる二つの遺伝子をもつAaで表に現れる形質です。それ以上の価値判断は含みません。顕性形質が健康、優秀、強い、進化しているという意味ではありません。潜性形質が劣っている、消えやすいという意味でもありません。
集団でどちらの形質が多いかも、顕性・潜性だけでは決まりません。遺伝子の割合、環境、偶然、自然選択などで変わります。Aaでは潜性遺伝子aが見えませんが、存在し、生殖細胞を通して次世代へ伝わります。
具体例で使う
ある植物で白花が顕性、赤花が潜性だとしても、白花の方が病気に強いとは限りません。また野外で赤花が90%、白花が10%でも、交配実験でAaが白花なら白が顕性です。集団の多さとAaでの現れ方は、別の問いです。
誤答「最初の子に潜性形質が出なかったので、潜性遺伝子は消滅した」も直します。純系AA×aaの子はAaで、形質は顕性でもaを一つもっています。見えないことと存在しないことは同じではありません。
誤答を直して次の学びへつなげる
顕性・潜性で迷ったら、「Aaでどちらが現れるか」という定義へ戻ります。強さや多さの説明を含めていたら、その部分を切り離します。表現型だけでなく遺伝子型を書けば、潜性遺伝子が残っていることも確認できます。
次は未知の交配資料で、顕性形質を判定し、表現型から可能な遺伝子型を複数挙げます。
自分で確かめよう
確認1:顕性が表すことは?
Aaのように異なる遺伝子をもつ個体で表に現れる形質です。確認2:顕性形質は集団で必ず多い?
いいえ。集団での頻度は別の要因にも左右されます。確認3:Aaでaは消える?
消えません。形質に現れなくても存在し、子へ伝わり得ます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。