LESSON 01

生殖・発生・遺伝の入試総合

入試総合の資料を時系列と階層で整理しよう

「生殖・発生・遺伝の入試総合」第1段階。資料を時間の流れと体の階層で整理します。

入試総合の資料を時系列と階層で整理しよう

このレッスンの役割

このレッスンは「生殖・発生・遺伝の入試総合」6レッスンの1番目です。ここまで別々に学んだ生殖、発生、遺伝を、入試問題の中で迷わず使うための見取り図を作ります。

完成の目安は、写真・文章・表がばらばらの順で示されても、出来事を「生殖細胞形成→受精→発生→成長→次世代への遺伝」の時間順に戻せること、さらに細胞・染色体・DNA・遺伝子・個体のどの階層を見ているか区別できることです。

知る・理解する

総合問題が難しく見える理由は、新しい知識が多いからとは限りません。同じ現象を、時間の流れと体の階層という二つの見方で行き来する必要があるからです。

時間の流れでは、親の体で生殖細胞がつくられ、二つの生殖細胞が受精し、受精卵が体細胞分裂をくり返して胚になり、個体へ成長します。遺伝では、親がもつ遺伝情報の一部ずつが生殖細胞を通して子へ渡ります。

階層では、個体は多数の細胞からでき、細胞の核には染色体があり、染色体の主な成分がDNAで、DNAの一部が遺伝子です。写真が個体の形質を示していても、説明に必要なのは細胞内の遺伝子の組み合わせかもしれません。

生殖・発生・遺伝を時間と階層で整理する見取り図上段は生殖細胞形成、受精、発生、成長、次世代への時間の流れ。下段は個体、細胞、核、染色体、DNA、遺伝子の階層を示す。時間の流れ生殖細胞形成対が分かれる受精発生成長次世代へ遺伝情報を渡す体の階層個体細胞染色体DNA遺伝子今どの時点か、どの大きさの話かを先に決める

資料を読んだら、余白に「時点」と「階層」を短く書きます。たとえば「受精後・細胞」「親・遺伝子」のように印をつけると、別の資料との関係が見えます。

具体例で使う

問題に、資料A「胚の細胞数の変化」、資料B「親と子の形質」、資料C「花粉と卵細胞の遺伝子」がこの順で示されたとします。掲載順に考えると混乱しますが、時間順に直すとCの生殖細胞→受精→Aの発生→Bの子の形質となります。

次に階層をつけます。資料Cは遺伝子、資料Aは細胞と個体、資料Bは個体の表現型です。Cで生殖細胞がもつ遺伝子を組み合わせ、Aで受精卵が分裂して成長し、Bで遺伝子型に応じた形質が観察された、と一本の説明にできます。

この整理は答えそのものではありませんが、どの知識をどこに使うかを決める設計図になります。

誤答を直して次の学びへつなげる

「資料Aから順に全部説明しよう」とすると、問題作成者が並べた順と生物の出来事の順を混同します。まず実際の時間順に戻しましょう。

「DNA、遺伝子、染色体は全部同じ言葉」とすると、包含関係が崩れます。DNAの一部が遺伝子で、DNAがまとまって染色体をつくります。設問がどの階層を問うかで、使う語が変わります。

次は、この見取り図を使い、生殖・発生の観察実験から、そろえた条件、観察事実、そこからいえることを読み分けます。

自分で確かめよう

確認1:受精、成長、生殖細胞形成、発生を時間順に並べると?生殖細胞形成→受精→発生→成長です。
確認2:遺伝子は体のどこにあると整理できる?遺伝子はDNAの一部で、DNAは染色体の主な成分です。染色体は細胞の核にあります。
確認3:資料が掲載順では理解しにくいとき、最初に何をする?各資料の時点と階層を記し、生物の出来事の時間順に並べ直します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。