形質が親から子へ伝わる遺伝の全体像をつかもう
このレッスンの役割
このレッスンは「形質と遺伝」6レッスンの1番目です。前のセクションで、遺伝子がDNA上の情報区間であり、生殖細胞を通して受精卵へ届くことを学びました。今回は、その情報と生物に現れる特徴を結びます。完成の目安は、形質と遺伝を具体例で説明し、形質の現れ方には遺伝情報と環境の両方が関わる場合があるといえることです。
知る・理解する
生物がもつ形や性質の特徴を形質といいます。エンドウの種子の形、花の色、ヒトの血液型などが例です。親の形質に関わる遺伝情報が子へ伝わることを遺伝といいます。ただし、子が親のコピーになるという意味ではありません。子は両親から遺伝情報を受け取り、その組み合わせが一人ひとり異なります。
さらに、身長や植物の大きさのように、遺伝情報だけでなく栄養、光、温度などの環境によって現れ方が変わる形質もあります。「遺伝するか、環境で決まるか」の二択ではなく、どちらがどのように関わったかを証拠から考えます。
具体例で使う
同じ品種の植物の種子を二群に分け、一方は十分な光、もう一方は弱い光で育てると、草丈や葉の色が違うことがあります。遺伝情報が似ていても環境で形質の現れ方が変わった例です。一方、同じ環境で複数の品種に安定した花色の違いが現れるなら、遺伝情報の違いが関係する可能性を考えます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「親と似た特徴はすべて遺伝」とは限りません。同じ食事や生活環境による類似もあります。「兄弟で違う形質があれば遺伝していない」も誤りです。受け取る遺伝情報の組み合わせや環境が異なれば、同じ親から生まれても違いが現れます。
次は同じ系統を異なる環境で育てる比較実験から、遺伝と環境の影響を切り分けます。
自分で確かめよう
確認1:形質とは何ですか?
生物がもつ形や性質の特徴です。確認2:遺伝とは何ですか?
親の形質に関わる遺伝情報が子へ伝わることです。確認3:形質は必ず遺伝情報だけで決まる?
いいえ。形質によっては光、栄養、温度などの環境も現れ方に関わります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。