遺伝情報と環境から形質が現れるモデルを描こう
このレッスンの役割
このレッスンは「形質と遺伝」6レッスンの3番目です。比較実験で分けた遺伝と環境の影響を、一つの因果モデルにまとめます。完成の目安は、遺伝情報が形質の土台となり、発生や成長の過程で環境も作用して観察される形質が現れることを説明できることです。
知る・理解する
親から受け取った遺伝情報は、体の形や働きをつくる土台になります。しかし、遺伝情報が完成した姿を写真のように保存しているわけではありません。細胞が分裂・分化し、体がつくられる過程で遺伝情報が使われます。そこへ栄養、光、温度、運動などの環境も作用します。
したがって、現れた形質は「遺伝情報か環境か」の一方だけで説明できない場合があります。環境で変わった体の状態が、そのまま生殖細胞の遺伝情報へ書き込まれて子へ伝わるとも限りません。遺伝する情報と、生涯に獲得した変化を区別します。
具体例で使う
同じ品種のアジサイでも、土壌条件によって花色が変わることがあります。品種の遺伝情報がなくなったのではなく、環境によって色の現れ方が変化した例です。また運動で筋肉が発達しても、その発達した大きさがそのまま子へ遺伝するとはいえません。生殖細胞を通して伝わる情報かどうかを考えます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「遺伝子があれば環境に関係なく同じ値になる」は、発生・成長の過程を飛ばしています。「親が鍛えた筋肉は子も生まれたときから大きい」も、獲得した変化と遺伝情報を混同しています。どの情報が生殖細胞を通して伝わったのかを問い直します。
次は親子・兄弟の集団データから、個別の一致ではなく遺伝の傾向を割合で読みます。
自分で確かめよう
確認1:形質の現れ方に関わる二つは?
親から受け取る遺伝情報と、発生・成長時の環境です。確認2:遺伝情報は完成した姿の写真?
いいえ。発生と成長で体づくりに使われる情報です。確認3:獲得した変化はすべて子へ伝わる?
いいえ。生殖細胞の遺伝情報を通して伝わるかを区別する必要があります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。