LESSON 01

細胞分裂の観察

根の先を選び分裂中の細胞を探そう

「細胞分裂の観察」第1段階。根の先を選ぶ理由と、観察事実と解釈の分け方を学びます。

根の先を選び分裂中の細胞を探そう

このレッスンの役割

このレッスンは「細胞分裂の観察」6レッスンの1番目です。前のセクションで整理した「細胞が増えて命が続く」という見取り図を、実際の細胞像で確かめる入口です。完成の目安は、根のどこを観察するか、その理由まで説明できることです。

知る・理解する

植物の根は、どの部分も同じ速さで伸びているわけではありません。根の先端近くには、細胞分裂が盛んな成長点があります。そこで新しい細胞が増え、その後、先端から少し離れた部分で細胞が大きくなるため、根全体が伸びます。

したがって、分裂中の細胞を探すなら根の先端付近が適しています。ただし根冠は成長点を守る部分であり、「いちばん端のすべてが分裂中」とは限りません。

根の先端付近と細胞分裂を観察する場所根冠の少し内側に細胞分裂が盛んな成長点があり、その上に細胞が大きくなる領域がある。成長点:分裂中の細胞を見つけやすい根冠:先端を守る観察記録は二段に分ける事実:濃く染まる糸状のものがある解釈:染色体が見えている可能性

観察では、まず「丸い核が見える」「濃く染まった糸状のものが見える」のように事実を書きます。その後で「分裂中の細胞と考えられる」と解釈します。見えたものと考えたことを分けると、証拠の強さを確かめられます。

具体例で使う

根の先端から0〜1 mm、3〜4 mm、8〜9 mmの三か所を同じ面積だけ観察したとします。濃く染まった染色体状の像がそれぞれ18個、4個、1個の細胞で見つかりました。この結果は、先端付近ほど分裂中の細胞が多いという判断を支えます。

ただし「先端の細胞は全部分裂している」とまでは言えません。観察した同じ視野にも、核が丸く見える細胞と、染色体がはっきり見える細胞が混在するからです。

誤答を直して次の学びへつなげる

根が伸びる理由を「細胞が大きくなるだけ」とするのは不十分です。成長点で細胞数が増え、別の領域で細胞が大きくなる二つの変化が関係します。また、濃い線を見つけただけで染色体と断定せず、細胞内の位置や複数の像を比べます。

次は、染色体を見やすくし、細胞が重ならない標本を作る操作の意味を学びます。

自分で確かめよう

確認1:根のどの付近を選ぶ?細胞分裂が盛んな成長点のある、根の先端付近を選びます。
確認2:「濃い糸状のものが見えた」は事実と解釈のどちら?まずは観察事実です。それを染色体と判断する段階が解釈です。
確認3:先端付近で分裂像が多いと何が言える?観察条件が同じなら、先端付近では他の部分より細胞分裂が盛んだと考えられます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。