見えない・重なる・偏る観察失敗を直そう
このレッスンの役割
このレッスンは「細胞分裂の観察」6レッスンの5番目です。標本作製・像の分類・割合計算をつなぎ、結果がおかしいときに原因を切り分けます。完成の目安は、症状に合う改善を一つ選び、その理由を説明できることです。
知る・理解する
観察の失敗は、大きく「標本」「顕微鏡操作」「数え方」に分けると直しやすくなります。細胞が重なるなら組織のやわらかさや押し広げ方、染色体が薄いなら染色、視野全体が暗いなら光量や絞り、像がぼやけるならピントを確認します。
割合が視野ごとに大きく変わるなら、根の場所や視野の選び方、数えた細胞数を確認します。一つの原因に決めつけず、「原因候補→確かめ方→改善」の順で考えます。
原因を確かめるときは、一度に多くを変えません。例えば染色時間だけを変え、他の条件をそろえると、改善がその操作によるものか判断しやすくなります。
具体例で使う
標本Aでは細胞の境界は見えるのに、すべての核が薄く、染色体を区別できません。まず染色液、染色時間、余分な液の扱いを確認します。いきなり最高倍率にしても、色の差そのものは生まれません。
標本Bでは一部の視野だけ分裂像が多く、別の視野ではほとんどありません。分裂しないと断定せず、根の先端からの距離をそろえ、複数視野の全細胞を同じ基準で数えます。
誤答を直して次の学びへつなげる
染色体が見えない細胞も、将来分裂する可能性があります。染色体が太く見える期間が細胞周期の一部だからです。また倍率は高いほど常に良いわけではありません。低倍率で観察場所を決めてから高倍率へ移ると、対象を見失いにくくなります。
次は、未知の条件を加えた実験について、結果から言えることと言えないことを分けます。
自分で確かめよう
確認1:細胞が何層にも重なるときの改善は?
組織をやわらかくする操作と、カバーガラスを真上から押し広げる操作を見直します。確認2:視野が暗いとき最初に確かめるものは?
光量、反射鏡や照明、絞りなど顕微鏡の光の条件です。確認3:改善実験で条件を一つずつ変える理由は?
どの変更が結果に影響したかを判断できるようにするためです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。