LESSON 01

分離の法則と比

未知の交配データから法則・親・比を検証しよう

「分離の法則と比」第6段階。未知の交配データから法則・親・比を検証します。

未知の交配データから法則・親・比を検証しよう

このレッスンの役割

このレッスンは「分離の法則と比」6レッスンの最後です。ここまでに学んだ分離、生殖細胞、受精、遺伝子型比、表現型比、理論値と実測値を一続きにして、未知の交配データを読み解きます。

完成の目安は、観察された表現型の比から親の遺伝子型候補を選び、その理由を「親→生殖細胞→受精→子の遺伝子型→表現型」の順で説明できることです。また、有限の実測データだけでは候補を完全に証明できない場合があることも理解します。

知る・理解する

未知の交配を考えるときは、結果の比を見て親を当てるだけでは不十分です。候補とする親から本当にその比を導けるかを確かめます。

  • 顕性:潜性が約3:1なら、Aa×Aaが有力な候補
  • 顕性:潜性が約1:1なら、Aa×aaが有力な候補
  • 子がすべて顕性でも、親がAA×aa、AA×Aa、AA×AAなど複数候補になりうる
  • 潜性の子が一個体でも現れたなら、その子はaaであり、両親がaを渡したと分かる

未知の交配データから親を推定する流れ実測比を3対1または1対1に近いか調べ、親候補を立て、生殖細胞と受精の組み合わせから理論比を導き、データと照合する。結果から逆向きに考え、順向きに確かめる実測データ顕性と潜性を数える比に近い形を探す約3:1? 約1:1?親の候補を立てるAa×Aa / Aa×aa など候補から順向きに検証分離→生殖細胞→受精→遺伝子型→表現型導いた理論比を実測比と照合する注意近い比は候補を支えるが唯一の親を証明しない逆向きの推定と順向きの検証をセットにする

この「逆向きに候補を立て、順向きに確かめる」という往復が重要です。比が似ているという印象だけで決めず、遺伝の仕組みから説明できるかを検証します。

具体例で使う

ある植物の交配で、顕性198個体、潜性202個体が得られました。合計400個体で、実測比はほぼ1:1です。Aa×aaを候補にすると、Aa親はAとaの生殖細胞を1/2ずつ、aa親はaの生殖細胞だけをつくります。受精後の子はAaとaaが1/2ずつになり、表現型比も顕性:潜性=1:1です。実測データと説明がよく合います。

別の交配で顕性305個体、潜性95個体なら、約3:1です。Aa×Aaを候補にすると、両親がAとaを1/2ずつつくり、子はAA:Aa:aa=1:2:1、表現型は3:1となります。合計400個体なら理論値は300と100なので、305と95は少しのばらつきを含みながら近い結果です。

ただし、「198:202だから親は絶対にAa×aa」とは言い切れません。限られた個体数の観察では偶然のばらつきがあり、表現型だけでは見えない遺伝子型もあります。入試では、与えられた条件の範囲で「最も適切な候補」を選び、根拠を説明します。

誤答を直して次の学びへつなげる

「1:1に近いからAa×aa」と答えるだけでは、比の暗記にとどまります。AaがAとaに分離し、aaがaだけをつくり、受精でAaとaaが同じ確率になるところまで説明しましょう。

「すべて顕性なら子はすべてAA」も誤りです。Aaも顕性に見えるため、表現型だけではAAとAaを区別できません。見える形質から分かることと、まだ決められないことを分けます。

「実測比に最も近い理論比が、唯一の正解を証明する」と考えるのも危険です。実測値は候補を支持する証拠ですが、観察数や他の条件も必要です。

これで分離の法則と比を一通り使えるようになりました。次の「生殖・発生・遺伝の入試総合」では、受精、発生、遺伝をまたぐ資料問題の中で、必要な法則を選び、根拠をつないで答えます。

自分で確かめよう

確認1:顕性101個体、潜性99個体なら、どの交配が有力?約1:1なのでAa×aaが有力です。Aa親はAとa、aa親はaをつくり、子がAaとaaに1:1で分かれます。
確認2:顕性305個体、潜性95個体がAa×Aaと考えられる理由は?約3:1であり、Aa×AaからAA:Aa:aa=1:2:1、表現型3:1を導けるからです。
確認3:子がすべて顕性なら、全個体がAAだと断定できる?できません。Aaも顕性に見えるため、表現型だけではAAとAaを区別できません。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。