LESSON 01

生殖・発生・遺伝の入試総合

生殖・発生の観察実験から条件と根拠を読もう

「生殖・発生・遺伝の入試総合」第2段階。比較条件・観察事実・考察を根拠で結びます。

生殖・発生の観察実験から条件と根拠を読もう

このレッスンの役割

このレッスンは「生殖・発生・遺伝の入試総合」6レッスンの2番目です。前のレッスンで作った時間と階層の見取り図を、観察・実験問題へ使います。

完成の目安は、何を変え、何をそろえ、何を測った実験かを読み、観察した事実と、その事実から考えた説明を分けて書けることです。受粉や発生の問題では、この区別が記述答案の根拠になります。

知る・理解する

比較実験では、調べたい条件だけを変え、ほかの条件をできるだけそろえます。たとえば、受粉が種子形成に必要か調べるなら、同じ種類・同じ育ち具合の花を用い、一方だけ受粉させます。日当たりや水の量まで違えば、種子ができなかった原因を受粉の有無にしぼれません。

観察事実は「袋をかけて受粉させなかった花では種子ができなかった」のように、見たものや測った値です。考察は「受粉が種子形成に必要だと考えられる」のように、事実から導いた説明です。事実と考察をつなぐ言葉には「この結果から」「したがって」を使えます。

比較実験から根拠ある考察を作る流れ同じ種類や水、光をそろえ、受粉の有無だけを変え、種子形成の結果を比較し、受粉が必要だと考察する。一つだけ変える→事実を比べる→説明するそろえる条件・植物の種類・花の育ち具合・水と光変える条件受粉あり / なし観察事実受粉あり種子ができた受粉なし種子ができなかった考察ほかの条件が同じで結果が異なる受粉が種子形成に必要と考えられる観察したことより強い結論を言わない

発生の観察では、時刻をそろえることも大切です。受精後12時間と24時間の胚を比べるなら、温度や種類などをそろえます。細胞数が増えたという事実から、体細胞分裂が進んだと考察できますが、写真だけで細胞一個一個が大きくなったとはいえません。

具体例で使う

カエルの受精卵を20℃と25℃で育て、同じ時刻に発生段階を比べたところ、25℃の方が進んでいました。この実験で変えた条件は温度、そろえる条件はカエルの種類、受精後の時間、観察方法などです。

観察事実は「同じ時刻では25℃の方が発生段階が進んでいた」です。考察は「この温度範囲では、温度が高い方が発生が速く進むと考えられる」です。「温度が高いほど無限に速くなる」とまではいえません。調べた20℃と25℃の範囲を超えて結論を広げないことが重要です。

記述では「何と何を比べたか」「どんな差があったか」「そこから何がいえるか」を一文ずつ組み立てると、根拠が抜けにくくなります。

誤答を直して次の学びへつなげる

「種子ができた。だから受粉した」は、結果から原因を断定しています。自然に花粉がついた可能性などを除く操作が必要です。袋をかける理由まで読みましょう。

「25℃の胚は発生が速いと観察した」は、観察と解釈が混ざっています。直接見たのは発生段階の違いで、そこから発生速度を考察しました。

「温度と光の両方を変えた二群を比べ、温度が原因」とするのも誤りです。二つの条件が違えば、どちらの影響か分けられません。

次は、観察の背後で遺伝情報がどのように保たれ、分かれ、再び組み合わさるかを、染色体・DNA・遺伝子のモデルでつなぎます。

自分で確かめよう

確認1:受粉の有無を調べる実験で、そろえる条件を一つ挙げると?植物の種類、花の育ち具合、水、光などです。受粉の有無以外をできるだけ同じにします。
確認2:「種子ができなかった」は観察事実と考察のどちら?観察事実です。「受粉が必要だと考えられる」が考察です。
確認3:20℃と25℃だけを比べた結果を、40℃にもそのまま広げてよい?いけません。結論は調べた条件の範囲で述べ、範囲外は別に確かめる必要があります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。