LESSON 01

生殖・発生・遺伝の入試総合

未知の生殖・発生・遺伝資料を統合して解こう

「生殖・発生・遺伝の入試総合」第6段階。複数資料から結論・根拠・仕組みをそろえます。

未知の生殖・発生・遺伝資料を統合して解こう

このレッスンの役割

このレッスンは「生殖・発生・遺伝の入試総合」6レッスンの最後です。時間と階層の整理、比較実験、遺伝情報のモデル、割合と比の計算、誤答修正を、初見の複数資料問題へまとめます。

完成の目安は、すべての資料を無理に使うのではなく、設問に必要な事実を選び、「結論→資料の根拠→生物の仕組み」の三点がそろった答案を自力で作れることです。

知る・理解する

初見問題は、次の順で処理すると安定します。

  1. 設問の動詞を囲む。「求める」「説明する」「判断する」のどれかを確認する。
  2. 資料ごとに、時点と階層を書く。
  3. 観察事実と、そこから考えられることを分ける。
  4. 必要な割合や理論値だけを計算する。
  5. 結論・根拠・仕組みを一続きにする。

「資料にある数字を全部使う」のではなく、設問への道筋に必要なものを選びます。たとえば受粉条件を問う設問に、遺伝子型の比が不要なこともあります。反対に、子の形質比から親を推定する設問では、発生時刻の写真が不要なこともあります。

複数資料から記述答案を作る流れ設問を確認し、資料を時点と階層で整理し、必要な事実と計算を選び、結論、根拠、仕組みをそろえた答案にする。初見でも、処理の順番は同じ設問何を答える?資料整理時点・階層選択・計算必要な根拠だけ答案三点をそろえる結論問いへの直接の答え根拠資料の値・比較仕組み分裂・分離・受精「分かった」ではなく、資料と仕組みで相手に伝える

記述答案では、結論だけを書いても根拠がなく、数値だけを書いても何を示すか伝わりません。「資料ではA群がB群より○○だった。この差は△△の仕組みによるため、□□と考えられる」の形を土台にします。

具体例で使う

未知の植物について、次の資料が与えられたとします。

  • 資料1:同じ時刻に、受粉させた花の胚は発生していたが、受粉させない花では胚が見られなかった。
  • 資料2:顕性形質の個体どうしを交配すると、子は顕性151個体、潜性49個体だった。
  • 資料3:親の顕性個体の遺伝子型はAAまたはAaである。

設問「資料2の親の遺伝子型を推定し、理由を説明せよ」には、主に資料2と3を使います。実測比151:49は約3:1です。Aa×Aaなら両親がAとaの生殖細胞を1/2ずつつくり、受精後はAA:Aa:aa=1:2:1、表現型は3:1になります。したがって親はともにAaと推定できます。

設問「胚ができるために必要な過程を資料1から説明せよ」には、受粉の有無を比べます。ほかの条件が同じで、受粉した花だけに胚が見られたことから、受粉後に受精が起こり、受精卵が体細胞分裂して胚へ発生したと説明できます。

同じ資料セットでも、設問ごとに必要な資料が違います。まず問いを決めてから証拠を選ぶ理由はここにあります。

誤答を直して次の学びへつなげる

「151:49だから親はAa」とだけ書くと、比の由来がありません。「約3:1」「Aa×Aaの分離と受精」「表現型3:1」をつなぎます。

「資料1で胚ができたのは、花が成長したから」は、受粉の有無という比較条件を使っていません。受粉→受精→受精卵→体細胞分裂→胚という因果へ直します。

「資料が三つあるので答案に全部入れる」は、情報量を増やすだけで根拠を弱くすることがあります。設問に直接関係する資料を選び、不要な情報は使わない判断も読解力です。

このセクションで、生殖・発生・遺伝を横断する準備が整いました。次の学びでは、生物が世代を重ね、集団や環境との関係の中でどのように成り立つかを考えるときにも、時点・階層・根拠の整理を使えます。

自分で確かめよう

確認1:初見の複数資料問題で、最初に確認するものは?設問が何を求めているかです。「求める・説明する・判断する」などの動詞を確認します。
確認2:顕性151、潜性49からAa×Aaを推定する説明に必要な仕組みは?Aaの対が生殖細胞形成でAとaに分かれ、受精でAA:Aa:aa=1:2:1となり、表現型が3:1になる仕組みです。
確認3:根拠のある記述答案にそろえる三点は?問いへの結論、資料に示された根拠、その結果を生む仕組みです。

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