LESSON 01

生物を科学的に観察する

見た事実と考えたことを分けて書こう

直接見聞き・測定した観察事実と、理由や働きについての推測を分けて記録します。

見た事実と考えたことを分けて書こう

「生物を科学的に観察する」最初のレッスンです。理科の観察は、見たものを上手に言い当てる競争ではありません。まず誰でも確かめられる事実を残し、その後で理由を考える力を身につけます。

まず知る:観察事実と推測を分ける目標

観察事実は、目や耳、手触り、測定器などで確かめた内容です。推測・考察は、その事実から考えた理由や働きです。同じ文に混ぜず、記録欄を分けると、考えが観察より先走るのを防げます。

種類 判断理由
葉の表面に白い毛が多数ある 観察事実 見て数えられる
毛は乾燥を防ぐためにある 推測 働きについて考えている
この植物はヨモギである 同定の候補 名前は特徴を確かめて決める
葉の長さは42 mmである 測定した事実 方法と単位がある

葉の観察事実と推測の分離鋸歯と葉脈が見える葉を観察し、見えた特徴を事実欄へ、乾燥を防ぐという考えを推測欄へ分ける事実欄・縁にぎざぎざ・中央から葉脈・長さ42 mm推測欄・水を運ぶ?・食べられにくい?後で別の証拠で確かめる

理解する:具体例で文を分解する

ダンゴムシを観察して「暗い場所が好きなので石の下にいた」と書いたとします。「石の下に3匹いた」は事実です。しかし「暗い場所が好き」は、石の下と明るい場所を同じ条件で比べて初めて確かめられる説明候補です。

事実は、場所・数・時刻を加えると再確認しやすくなります。「午前9時、校庭の石Aの下に体長約10 mmの個体が3匹いた」のように書きます。

使う:名前を観察にする間違いを直す

「タンポポが咲いていた」だけでは、名前を知らない人が確かめられません。「黄色い小さな花のような部分が集まり、地面近くから切れ込みのある葉が広がっていた」と特徴も残します。名前が間違っていても、事実の記録は後から見直せます。

理解チェック1:「葉は日光を多く受けるために広い」は事実と推測のどちら?働きや理由を述べているので推測です。まず葉の幅や向きなどを事実として記録します。
理解チェック2:「5月10日、葉の裏に直径約1 mmの黒い点が6個あった」はどちら?日時・位置・大きさ・数を確かめられる観察事実です。

転用する:確かめをまとめ、観点記録へつなぐ

記録した文の末尾に「見た・測った」なら事実、「〜だろう・〜のため」なら推測と印を付けます。次は、事実を大きさ・形・数・位置という共通の観点でそろえ、別の人も比較できる記録にします。

理解チェック3:「この虫は危険だ」を科学的な記録へ直すには?体色、形、行動、触れた条件など観察できた特徴を書きます。安全が不明な生物には触れず、距離を取って観察します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。