軸を入れ替えたグラフの読み違いを直そう
入試では、横軸V・縦軸Iだけでなく、横軸I・縦軸Vのグラフも出ます。二つは同じ測定結果を表せますが、傾きの意味と「急な方」の判断は逆になります。軸を見ずに覚えた規則を当てはめないことが重要です。
このレッスンの役割
第5段階です。前のレッスンまでに一点からV÷Iを求めました。今回は同じデータを軸の異なる二つのグラフで表し、傾きの意味を毎回つくり直します。最後のレッスンへ、初見の軸配置でも根拠を示せる力を渡します。
知る:傾きは必ず縦÷横
グラフAは横軸V・縦軸Iなので、傾きはI÷Vで「流れやすさ」を表します。グラフBは横軸I・縦軸Vなので、傾きはV÷Iとなり、これは抵抗Rそのものです。
| 軸の配置 | 傾き | 急な直線が表すもの |
|---|---|---|
| 横V・縦I | I÷V | 電流が流れやすい、抵抗は小さい |
| 横I・縦V | V÷I | 同じ電流に大きい電圧が必要、抵抗は大きい |
理解する:同じ点を交換して描いている
抵抗20 Ωのデータ「4.0 Vで0.20 A」は、横V・縦Iでは点(4.0, 0.20)です。軸を交換すると横I・縦Vなので点(0.20, 4.0)になります。物体の抵抗が変わったのではなく、同じ組の置き場所を交換しただけです。
さらに軸の目盛り幅も確認します。図の角度は紙面の縦横比や目盛りで変わるため、角度を定規で測って比較してはいけません。軸名と数値から縦の変化量÷横の変化量を求めます。
例で使い、よくある誤答を直そう
横I・縦Vのグラフで、Aが0.20 Aのとき6.0 V、Bが0.20 Aのとき3.0 Vなら、AはR=6.0÷0.20=30 Ω、Bは15 Ωです。この軸ではAの直線の方が急で、抵抗も大きくなります。
誤答「前に急な方は抵抗が小さいと習った」は、条件の抜けです。「横軸V・縦軸Iでは」を付けて初めて正しい文になります。まず軸を書く、次に傾き=縦÷横をつくる、最後に物理量の意味を読む、の順で直します。
自分で確かめ、まとめて次へ進もう
確認1:横I・縦Vの傾きは何を表しますか?
V÷Iなので、抵抗Rを表します。この軸では傾きが大きいほど抵抗が大きいです。確認2:同じ抵抗の軸を交換すると抵抗値も変わりますか?
変わりません。同じVとIの組を、横と縦で入れ替えて描いているだけです。確認3:線の見た目の角度だけで抵抗を比べてはいけないのはなぜですか?
軸の量と目盛り幅で角度が変わるからです。軸名と数値から縦÷横を確かめます。「急な方」という言葉は軸の条件なしでは使えません。軸→単位→縦÷横→意味の順で読めれば、初見のグラフにも対応できます。次は複数の直線と未知点を含む入試型問題へ進みます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。