比例からずれた測定値の原因を診断しよう
実験の点は、教科書のように完全な直線へ並ぶとは限りません。一点がずれたとき、都合よく消すのでも、すぐ「オームの法則は間違い」と決めるのでもなく、ずれ方から原因を診断します。
このレッスンの役割
ここは「オームの法則を実験で見つける」6レッスンの第5段階です。前のレッスンで、原点付近を通る直線と、V÷Iがほぼ一定になることをオームの法則へ結び付けました。
今回完成させる力は、比例からのずれを「一点だけ」「全体が平行にずれる」「途中から曲がる」に分け、測定・装置・条件のどこを見直すか選ぶことです。
知る:ずれ方には情報がある
ずれた点を消す前に、どのようにずれているかを見ます。原因候補を立て、再測定で確かめます。
理解する:三つの診断
| ずれ方 | 主な原因候補 | 次にすること |
|---|---|---|
| 一点だけ大きく外れる | 目盛りの読み違い、接触不良、記録ミス | 同じ条件をもう一度測る |
| 全点が原点から同じ方向へずれる | 計器のゼロ点、配線による一定のずれ | 測定前のゼロ点と接続を確認する |
| 高電圧側で曲がる | 抵抗器の温度上昇、部品の性質変化 | スイッチを開いて冷まし、短時間で測る |
測定値は「正解に合わせるため」に直すのではありません。操作や装置の根拠がある場合だけ再測定し、元の値も記録に残します。
例で使い、よくある誤答を直そう
1.0、2.0、3.0、4.0 Vで、電流が0.05、0.10、0.31、0.20 Aだったとします。3.0 Vの0.31 Aだけが周囲の傾向から大きく外れます。まず読み取りや記録、接触を確認し、3.0 Vを再測定します。
「0.31 Aは邪魔だから消す」という対応は誤りです。消す根拠がありません。反対に「一点外れたからオームの法則は成り立たない」と結論づけるのも早すぎます。複数点の傾向と、装置・条件の点検が必要です。
もし高電圧側の複数点が連続して曲がるなら、単純な読み違いより、温度などの条件が変わった可能性を疑います。
自分で確かめ、まとめて次へ進もう
確認1:一点だけ直線から外れたら、最初に何をしますか?
その点を消さず、目盛り、記録、接触、端子を確認し、同じ条件で再測定します。確認2:すべての点が原点から同じようにずれていたら何を疑いますか?
計器のゼロ点や接続など、すべての測定へ共通して影響する原因を疑います。確認3:高電圧側でグラフが曲がる原因候補は何ですか?
電流を長く流したことで抵抗器の温度が上がり、抵抗が変化した可能性があります。ずれを証拠として扱えるようになりました。最後は未知の表とグラフを使い、オームの法則がどの条件・範囲で成り立つかを判断します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。