LESSON 01

オームの法則を実験で見つける

比例からずれた測定値の原因を診断しよう

測定点のずれ方から読み取り・ゼロ点・接触・温度を点検し、根拠をもって再測定する。

比例からずれた測定値の原因を診断しよう

実験の点は、教科書のように完全な直線へ並ぶとは限りません。一点がずれたとき、都合よく消すのでも、すぐ「オームの法則は間違い」と決めるのでもなく、ずれ方から原因を診断します。

このレッスンの役割

ここは「オームの法則を実験で見つける」6レッスンの第5段階です。前のレッスンで、原点付近を通る直線と、V÷Iがほぼ一定になることをオームの法則へ結び付けました。

今回完成させる力は、比例からのずれを「一点だけ」「全体が平行にずれる」「途中から曲がる」に分け、測定・装置・条件のどこを見直すか選ぶことです。

知る:ずれ方には情報がある

電圧電流グラフの三種類のずれ一点だけ外れる場合、全体が原点からずれる場合、高い電圧で曲線になる場合を比べ、読み取り、ゼロ点、温度を原因候補にする図一点だけ外れる全体が原点からずれる途中から曲がる読み取り・接触を点検ゼロ点・補正を点検温度など条件変化を点検

ずれた点を消す前に、どのようにずれているかを見ます。原因候補を立て、再測定で確かめます。

理解する:三つの診断

ずれ方 主な原因候補 次にすること
一点だけ大きく外れる 目盛りの読み違い、接触不良、記録ミス 同じ条件をもう一度測る
全点が原点から同じ方向へずれる 計器のゼロ点、配線による一定のずれ 測定前のゼロ点と接続を確認する
高電圧側で曲がる 抵抗器の温度上昇、部品の性質変化 スイッチを開いて冷まし、短時間で測る

測定値は「正解に合わせるため」に直すのではありません。操作や装置の根拠がある場合だけ再測定し、元の値も記録に残します。

例で使い、よくある誤答を直そう

1.0、2.0、3.0、4.0 Vで、電流が0.05、0.10、0.31、0.20 Aだったとします。3.0 Vの0.31 Aだけが周囲の傾向から大きく外れます。まず読み取りや記録、接触を確認し、3.0 Vを再測定します。

「0.31 Aは邪魔だから消す」という対応は誤りです。消す根拠がありません。反対に「一点外れたからオームの法則は成り立たない」と結論づけるのも早すぎます。複数点の傾向と、装置・条件の点検が必要です。

もし高電圧側の複数点が連続して曲がるなら、単純な読み違いより、温度などの条件が変わった可能性を疑います。

自分で確かめ、まとめて次へ進もう

確認1:一点だけ直線から外れたら、最初に何をしますか?その点を消さず、目盛り、記録、接触、端子を確認し、同じ条件で再測定します。
確認2:すべての点が原点から同じようにずれていたら何を疑いますか?計器のゼロ点や接続など、すべての測定へ共通して影響する原因を疑います。
確認3:高電圧側でグラフが曲がる原因候補は何ですか?電流を長く流したことで抵抗器の温度が上がり、抵抗が変化した可能性があります。

ずれを証拠として扱えるようになりました。最後は未知の表とグラフを使い、オームの法則がどの条件・範囲で成り立つかを判断します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。