未知の場面で働く力とその働きを見抜こう
このレッスンの役割
このセクションの第6レッスンです。これまでに、物体に現れる力の働きを観察し、「どの物体が、どの物体へ」と表し、接触する力と離れて働く力を分類し、動きだけから判断する誤りを直しました。今回は、初めて見る場面で働く力を見抜きます。
今回完成させる力は、対象物を一つ選び、接触している物体と離れて作用する物体を探し、力の種類と働きを根拠付きで説明することです。最後に、その力をどこからどの向きへ、どれくらいの大きさで表すかという次の問いへつなげます。
知る・理解する
未知の場面では、力の名前を先に当てません。次の順で探します。
| 手順 | 問い |
|---|---|
| 1 | 力を考える対象物は何か |
| 2 | 何と接触し、何が離れて作用するか |
| 3 | 動き・速さ・向き・形・支えに何が見えるか |
| 4 | 「AがBへ何力を及ぼす」とどう書くか |
対象物を途中で変えると、力の向きや相手が混ざります。まず一つに決め、別の物体は次の表へ分けます。
具体例で使う
場面1は、机の下にある磁石を動かすと、机の上のクリップがついて動く現象です。対象はクリップです。机と接触し、磁石とは離れています。磁石がクリップへ磁力を及ぼして動きを変え、机はクリップを支え、地球は重力を及ぼします。
場面2は、傾けた板の上で消しゴムが滑らず止まっています。対象は消しゴムです。板が支え、滑りを妨げる摩擦力を及ぼし、地球が重力を及ぼします。止まっているから力がないとは判断しません。
場面3は、こすった風船を小さな紙片へ近づけると、触れる前に紙片が動く現象です。風船が紙片へ電気力を及ぼしたと考えられます。風や机の傾きなど別の原因を除く比較も必要です。
場面4は、引いた弓を離すと矢が前へ動く現象です。変形した弓や弦が矢へ弾性力を及ぼし、矢の動きを変えます。引いている間は手も弓へ力を及ぼしています。
誤答を直して次の学びへつなげる
クリップが右へ動いたから「右向きの力」とだけ書くと、力を及ぼした相手と種類が分かりません。磁石の位置を変えたときにクリップの動きも変わることを根拠に、磁石がクリップへ磁力を及ぼすと書きます。
坂の上の消しゴムに「重力しかない」とすると、板との接触を見落とします。接触物体を先に列挙すると、支える力や摩擦力を探せます。
次のセクションでは、見つけた力を作用点・向き・大きさの三要素で表し、質量と重さを区別します。ここでの「AがBへ」が、矢印をBのどこから描くかを決める土台です。
自分で確かめよう
確認1:未知の場面で力を探す最初の操作は何ですか?
力を考える対象物を一つ選び、その物体と接触する物体、離れて作用する物体を探します。確認2:机の下の磁石でクリップが動く場面を一文で説明してください。
磁石がクリップへ磁力を及ぼし、クリップの動きを変えた、と説明できます。確認3:坂の上で止まる消しゴムへ働く相手を二つ挙げてください。
地球と坂の板です。地球は重力を及ぼし、板は支える力や摩擦力を及ぼします。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。