「だれが何に」力を及ぼすかで力を説明しよう
このレッスンの役割
このセクションの第3レッスンです。前のレッスンでは、手で台車を押す、ばねを引く、磁石を鉄球へ近づける観察を行いました。今回は、すべての場面を「どの物体が、どの物体へ、どんな力を及ぼすか」という形で説明します。
今回完成させる力は、力を及ぼす物体と力を受ける物体を区別し、接触している場合も離れている場合も、二つの物体の関わりとして力を捉えることです。次のレッスンでは、その関わりを接触する力と離れて働く力へ分類します。
知る・理解する
力は物体の中に蓄えられた目に見えない物質ではありません。ある物体が別の物体へ及ぼす働きとして表します。
「AがBへ力を及ぼす」
Aが力を及ぼす物体、Bが力を受ける対象です。
例を文章にします。
| 力を及ぼす物体 | 力を受ける物体 | 力の呼び方・働き |
|---|---|---|
| 手 | 台車 | 押す力で動きを変える |
| 伸びたばね | おもり | 弾性力で元へ戻そうとする |
| 地球 | 本 | 重力で地球の中心方向へ引く |
| 机 | 本 | 接触して本を支える |
| 磁石 | 鉄球 | 磁力で引く |
一つの本は、地球と机という別々の物体から力を受けます。「一つの物体には一つの力だけ」とは限りません。複数の力の向きや大きさの関係は、後のセクションで詳しく扱います。
具体例で使う
床の上の箱を手で押す場面では、手が箱へ押す力を及ぼします。同時に、床は箱へ接触し、箱の動きを妨げる摩擦力を及ぼすことがあります。対象を箱に決めると、どの物体から力を受けるかを列挙できます。
吊り下げられたおもりでは、地球がおもりへ重力を及ぼし、糸がおもりを引きます。「上向きの力」というだけでなく、糸がおもりへ力を及ぼすと書きます。
磁石と鉄球が離れている場面でも、磁石が鉄球へ磁力を及ぼします。接触の有無ではなく、鉄球の動きが磁石の位置や向きに対応することが証拠です。
「ボールが進む力」という言い方だけでは、何がボールへ力を及ぼしているか分かりません。蹴っている最中なら足、空中なら地球や空気など、場面を分けます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「本には重力がある」というだけでは、力を及ぼす物体が抜けています。「地球が本へ重力を及ぼす」と書くと、二つの物体の関係が明確になります。
「机の上で止まっている本には重力だけが働く」とすると、本を支える机の働きを見落とします。対象物を一つ選び、接触している物体と離れて働く物体を両方探します。
次のレッスンでは、弾性力・摩擦力・面が支える力を接触する力へ、重力・磁力・電気力を離れて働く力へ分類し、場面ごとに表を完成させます。
自分で確かめよう
確認1:「本には重力がある」を、二つの物体が分かる文へ直してください。
「地球が本へ重力を及ぼす」と直します。確認2:机の上の本が力を受ける相手を二つ挙げてください。
地球と机です。地球は重力を及ぼし、机は接触して本を支えます。確認3:離れた磁石と鉄球の場面を「AがBへ」の形で説明してください。
磁石が鉄球へ磁力を及ぼす、と説明します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。