上下の水圧差から浮力を説明しよう
このレッスンの役割
前の実験で、水中ではばねばかりの値が小さくなり、物体へ浮力が働くことを測りました。ここでは、なぜ浮力が上向きに生まれるのかを、上面と下面の水圧差で説明します。
ゴールは、浮力を「水が何となく持ち上げる力」とせず、水圧の向きと大きさを組み合わせ、重力との比較から浮沈を判断できることです。
知る・理解する
水圧は深いほど大きく、物体の表面へ垂直に働きます。水中の直方体では、下面の方が上面より深いため、下面を上向きに押す力が、上面を下向きに押す力より大きくなります。
側面には左右から水圧が働きます。同じ深さの左右の力はつり合うため、全体として残るのは上向きの力です。これが浮力です。
浮力と重力は別の力です。物体がどちらへ動くかは、この二つの大小で決まります。
力の矢印を描くときは、矢印の長さで大きさを比べます。上向きと下向きの矢印が同じ長さならつり合い、長さが違えば、長い矢印の向きに差し引きの力が残ります。
| 力の関係 | 物体の変化 |
|---|---|
| 浮力 > 重力 | 上向きに動き始める |
| 浮力 = 重力 | 静止中なら静止を続ける |
| 浮力 < 重力 | 下向きに動き始める |
具体例で使う
物体に浮力8 N、重力6 Nが働けば、上向きが2 N大きいため上昇します。浮力6 N、重力6 Nならつり合います。浮力4 N、重力6 Nなら下向きが2 N大きいため沈みます。
水面に浮いて静止している木片にも、下向きの重力は働いています。同時に上向きの浮力が同じ大きさで働くため、上下に動かないのです。
沈んでいる金属にも水圧差はあるため浮力が働きます。ただし重力の方が大きければ沈み続けます。
誤答を直して次の学びへつなげる
浮力を上面から受ける上向きの力と考えるのは逆です。上面の水圧は下向き、下面の水圧は上向きで、深い下面の力の方が大きいため上向きの差が残ります。
「浮いているから力が働いていない」も誤りです。静止は力がない状態とは限らず、反対向きの力が同じ大きさでつり合っている場合があります。
次は、見かけの重さと浮力を計算し、沈めた体積や深さのデータを読みます。
自分で確かめよう
確認1:浮力が上向きになるのはなぜ?
深い下面を上向きに押す力が、浅い上面を下向きに押す力より大きく、差し引きで上向きの力が残るからです。
確認2:浮いて静止する物体に重力は働いている?
働いています。上向きの浮力と同じ大きさでつり合っています。
確認3:浮力3 N、重力5 Nならどうなる?
下向きの力が2 N大きいため、他の力がなければ沈み始めます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。