LESSON 01

力の三要素・矢印・質量と重さ

同じ力でも作用点・向き・大きさが必要な理由を知ろう

力の三要素が必要な理由を、ドアや台車の例と矢印の対応から理解する。

同じ力でも作用点・向き・大きさが必要な理由を知ろう

このレッスンの役割

このレッスンは「力がある」と言うだけでは、物体への働きを十分に説明できない理由をつかむ入口です。次のレッスンで力を測って矢印に表す前に、矢印に入れなければならない三つの情報を見つけます。

ゴールは、力を見たときに「どこに・どちらへ・どれくらい」という三つの問いを自分から出せることです。

知る・理解する

ドアを開ける場面を想像しましょう。同じ人が同じ強さで押しても、ちょうつがいの近くを押すより、取っ手の近くを押すほうがドアは回りやすくなります。また、取っ手を横に押す場合と、ドアの面に沿って押す場合でも結果は変わります。

この違いを説明するのが、力の三要素です。

要素 確かめる問い 矢印で表す部分
作用点 どこに力が働くか 矢印の始点
向き どちら向きに働くか 矢印の向き
大きさ どれくらい強いか 矢印の長さ
ドアを押す力の三要素 ドアの取っ手を右向きに押す力を、作用点、向き、大きさを示す矢印で表している。 作用点 向き 長いほど大きい ちょうつがい

矢印は、ただ「右へ動く」という予想を描くものではありません。力の情報を描く記号です。物体が右へ進んでいても、ブレーキの力は左向きに働くことがあります。

具体例で使う

台車を手で押す場面で考えます。

  1. 手が台車に触れている場所が作用点です。
  2. 手が台車を押している方向が力の向きです。
  3. 強く押すほど、力を表す矢印を長くします。

「手で押す力」と名前だけを書いても、左から押したのか、上から押したのか、軽く押したのかは伝わりません。三要素をそろえると、別の人も同じ状況を読み取れます。

さらに、同じ箱でも「物体そのものの量」と「地球に引かれる力」は別です。前者を質量、後者を重さと呼びます。この違いは後のレッスンで図と単位を使って整理します。

誤答を直して次の学びへつなげる

よくある誤りは、物体の進む向きに必ず力の矢印を描くことです。力の向きを決めるときは、動きではなく「何が、何を、どちらへ押す・引くか」を言葉にします。

また、矢印の始点を何となく物体の中心に置いてはいけません。手で押すなら手が触れている場所、糸が引くなら糸がついている場所が作用点です。

次は、ばねばかりを使って力の大きさをニュートンで測り、三要素を正確な矢印にします。

自分で確かめよう

確認1:力の三要素を答えよう

作用点、向き、大きさです。矢印では順に、始点、矢印の向き、矢印の長さで表します。

確認2:右へ走る自転車にブレーキをかけた。力の矢印も右向き?

いいえ。ブレーキによる力は進む向きと反対の左向きに働きます。動きの向きと力の向きは同じとは限りません。

確認3:ドアの同じ場所を同じ向きに、より強く押した。矢印の何を変える?

始点と向きは同じまま、矢印を長くします。変わったのは力の大きさだからです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。