LESSON 01

力の働きといろいろな力

動いている・止まっている物体の力の誤解を直そう

動いているから進行方向の力がある、止まっているから力がないなどの誤解を直します。

動いている・止まっている物体の力の誤解を直そう

このレッスンの役割

このセクションの第5レッスンです。前のレッスンでは、接触する力と離れて働く力を分類しました。今回は、物体の動きだけを見て力を決める四つの誤解を、「何が何へ力を及ぼすか」という関係へ戻って直します。

今回完成させる力は、動いている・止まっているという状態と、力が働くことを分け、支える力・摩擦力・磁力を具体的な相手物体から説明できることです。次のレッスンでは、未知の場面で対象物を選び、働く力を漏れなく探します。

知る・理解する

力は「物体が動いている証拠」ではありません。力の働きは、動き始める、止まる、速さや向きが変わる、形が変わる、支えられるなどの変化や関わりから考えます。

動きの状態だけで力を決めない四つの場面進む台車、止まる本、押しても動かない箱、反発する磁石を示し、相手物体から力を探す進む台車手は離れている止まる本地球と机から力動かない箱摩擦が滑りを妨げる反発する磁石NN磁力は反発もする「動いているか」ではなく「何が何へ」を調べる見える変化がない場面にも複数の力が働きうる向きと大きさの関係は次のセクション以降で詳しく学ぶ

誤解 見落としていること 修正
動く物体には進行方向の力が必ずある 力を及ぼす相手を示していない 接触や遠隔作用を場面から探す
止まる物体には力がない 支える力や重力 地球・机など相手を列挙する
摩擦は滑っているときだけ 滑り始めを妨げる場合 押しても動かない場面も調べる
磁石は必ず引く 同じ極は反発する 極の組み合わせを確認する

ここでは、力がつり合う条件や運動の法則をまだ定量的に扱いません。ただし、見た目の静止や運動だけから、一つの力を決めつけないことが重要です。

具体例で使う

手で押した台車から手を離したあと、台車が右へ進んでいます。手はもう接触していないので、「手が右へ押し続けている」とは言えません。床や空気が台車へ及ぼす力、地球や床の働きなどを別に考えます。

机の上の本は止まっています。地球が本へ重力を及ぼし、机が本を支えています。静止していることは、力が一つもない証拠ではありません。

箱を弱く横へ押しても動かないとき、床は箱が滑り始めるのを妨げる摩擦力を及ぼす場合があります。摩擦を見つけるために、必ず物体が滑っている必要はありません。

二つのN極を近づけると、互いに離れる向きへ動くことがあります。磁力は引力だけでなく反発力としても観察されます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「台車が右へ進むから右向きの力がある」という答えは、力を及ぼす物体を示していません。まず、手が接触しているか、磁石や糸があるか、床や空気と接しているかを確認します。

「本が止まっているので重力は働かない」という説明は、地球と本の関わりを見落としています。本が落下しない理由には、机の支えも関係します。

次のレッスンでは、坂の上の消しゴム、磁石で動くクリップ、帯電した風船、弓と矢などの未知場面で、対象物を一つ選び、力を及ぼす相手と働きを特定します。

自分で確かめよう

確認1:手から離れた台車が進んでいるとき、手が押し続けていると言えますか?言えません。手は接触していないためです。ほかに力を及ぼす物体があるかを場面から探します。
確認2:止まっている本にも力が働く例を二つ挙げてください。地球が本へ及ぼす重力と、机が本を支える力です。
確認3:摩擦力は物体が滑っているときだけ働きますか?いいえ。物体が滑り始めるのを妨げ、押しても静止したままにする場合にも働くことがあります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。