力の矢印と質量・重さの典型誤答を直そう
このレッスンの役割
ここまでに、力の三要素、ばねばかり、質量と重さ、矢印の尺度を学びました。このレッスンでは、正解をもう一度覚えるのではなく、間違った図や計算の「どこで考え方がずれたか」を診断して直します。
ゴールは、自分の答えを作用点・向き・大きさ・単位の四つの観点で点検できることです。
知る・理解する
力の図を点検するときは、次の順番が有効です。
- 対象にしている物体は何か。
- 何がその物体へ力を及ぼしているか。
- 接触点など、力が働く作用点はどこか。
- 押す・引く向きはどちらか。
- 大きさと尺度から矢印の長さが決まっているか。
計算では「量の名前」と「単位」を一組にして点検します。g・kgは質量、Nは力です。500 gと500 Nは、数が同じでも意味が全く違います。
具体例で使う
問題:質量500 gの箱を、右側につけた糸で右へ5 Nの力で引く。尺度は1 cm = 1 Nである。
誤答Aは箱の中心から右向きに描きました。向きと長さは合っていますが、作用点が違います。糸の取りつけ点から描き直します。
誤答Bは右側の作用点から左向きに描きました。箱がそれまで左へ動いていたとしても、糸が箱を引く力は右向きです。
誤答Cは長さ2 cmで描きました。尺度が1 cm = 1 Nなので、5 Nは5 cmです。質量500 gはこの矢印の長さを直接決める数字ではありません。
誤答を直して次の学びへつなげる
「物体が動く向き=力の向き」と決めつけないことが重要です。まず力を及ぼす相手を特定し、「糸が箱を右へ引く」のような文にしてから矢印にします。
「500 gだから500 N」という換算もできません。地球上では100 gにつき約1 Nなので、500 gの物体に働く重力は約5 Nです。
入試では、わざと不要な数値や動きの説明が含まれることがあります。作用点・向き・大きさ・単位の点検手順があれば、情報に惑わされにくくなります。
自分で確かめよう
確認1:矢印の始点をいつも物体の中心にするのはなぜ誤り?
始点は作用点を表すからです。手や糸が接する場所など、実際に力が働く場所から描きます。
確認2:右へ動く台車を左向きに引いた。力の矢印はどちら向き?
左向きです。動きの向きではなく、実際に引いている力の向きを表します。
確認3:尺度1 cm = 2 Nなのに6 Nを6 cmで描いた。どう直す?
6 ÷ 2 = 3より、3 cmに直します。6 cmでは12 Nを表してしまいます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。