押す・引く・曲げる実験で力の働きを観察しよう
このレッスンの役割
このセクションの第2レッスンです。前のレッスンでは、物体の動き・速さ・向き・形・支えられ方の変化から力の働きを見つけました。今回は、三つの観察実験で、力を加える前後の状態を記録します。
今回完成させる力は、台車・ばね・磁石について、変える条件を一つにし、観察した事実と力の説明を分けて書けることです。次のレッスンでは、すべての場面を「どの物体が、どの物体へ力を及ぼしたか」で表します。
知る・理解する
観察では、結果だけでなく「前→途中→後」の順を記録します。台車が最後に右へあっただけでは、押されて動いたのか、初めからそこにあったのか分かりません。
| 観察 | 変える条件 | 記録するもの | そろえるもの |
|---|---|---|---|
| 台車 | 押す・押さない | 動き始め、向き、進んだ距離 | 台車、床、開始位置 |
| ばね | 引く長さ | ばねの長さ・形 | 同じばね、固定位置 |
| 磁石 | 磁石との距離 | 鉄球が動き始めるか | 磁石、鉄球、床面 |
実験前に台車の進路を空け、ばねを限界まで引かず、強い磁石を電子機器や磁気カードへ近づけません。安全は結果の正しさ以前の条件です。
具体例で使う
台車実験では、静止した台車を短く押し、手を離したあとの動きを観察します。事実欄には「押す前は静止、押している間に右へ動き始め、手を離したあともしばらく右へ進んだ」と書きます。説明欄には「手が台車へ力を及ぼし、動きが変わった」と書きます。
ばね実験では、自然の長さ10.0 cmのばねをゆっくり引き、13.0 cmで止めます。事実は「長さが3.0 cm増えた」です。「手がばねを引く力を及ぼして形を変えた」は説明です。手を離して元へ戻る様子も記録します。
磁石実験では、磁石を鉄球から10 cm、5 cm、2 cmへ近づけ、触れる前に鉄球が動くか観察します。磁石以外の位置や床の傾きをそろえます。鉄球が動いた事実から、接触していなくても磁石が力を及ぼしたと説明できます。
観察結果が予想と違えば、床の傾き、摩擦、ばねの固定、磁石の向きなどを確認します。予想に合うまで結果を書き換えません。
誤答を直して次の学びへつなげる
台車の最終位置だけを記録しても、どのように動きが変わったか分かりません。開始位置、押している間、手を離したあとを時間順に記録します。
磁石が触れなかったから力は働いていない、という説明は、鉄球の動きという観察と合いません。距離や磁石の向きを変え、動きが磁石と対応するかを確かめます。
次のレッスンでは、「手が台車へ」「手がばねへ」「磁石が鉄球へ」のように、力を及ぼす物体と受ける物体を一文で表します。
自分で確かめよう
確認1:力の観察で前・途中・後を記録するのはなぜですか?
力を加える前の状態と、加えている間・あとの変化を対応させ、何が変わったかを判断するためです。確認2:磁石の観察でそろえる条件を二つ挙げてください。
同じ磁石と鉄球、同じ床面、鉄球の開始位置、磁石の向きなどから二つ挙げられます。確認3:「ばねが13.0 cmになった」は観察事実と説明のどちらですか?
測定した観察事実です。「手がばねへ力を及ぼして形を変えた」が説明です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。