物体の動き・向き・形の変化から力を見つけよう
このレッスンの役割
ここは「力・圧力・浮力」コースの「力の働きといろいろな力」セクション(1 / 15)の第1レッスンです。前の「音の性質」では、目に見えない振動の伝わり方を、観察とモデルで説明しました。ここからは、目に見えない力を、物体に起きた変化から見つけます。
今回完成させる力は、物体が動き始める・止まる・速さや向きが変わる・形が変わる・支えられるという観察から、力の働きを言葉にできることです。次のレッスンでは、台車・ばね・磁石を使って変化を記録します。
知る・理解する
力そのものを目で見ることはできません。しかし、力を受けた物体に起きる変化は観察できます。中学校では、主に次の働きから力を捉えます。
| 力の働き | 観察例 | 変化として書く |
|---|---|---|
| 動かす・止める | 静止した台車を押す、球を受け止める | 静止から運動、運動から静止 |
| 速さ・向きを変える | 転がる球を横から押す | 進む向きが曲がる |
| 形を変える | ばねを引く、スポンジを押す | 長さや形が変わる |
| 支える | 机の上に本を置く | 落下せず同じ位置に保たれる |
物体が動いているか止まっているかだけでは、力の有無を決められません。机の上の本は止まっていますが、地球に引かれ、机にも支えられています。詳しい向きやつり合いは後のセクションで学びます。
具体例で使う
サッカーボールをける前は静止し、けったあとに動き始めました。観察事実は「速さが0から大きくなった」です。足がボールへ力を及ぼし、動きが変わったと説明できます。
飛んできたボールを手で受け止めると、ボールは止まります。力は物体を動かすだけでなく、運動を止める働きもあります。
輪ゴムを引くと長くなり、手を離すと元へ戻ります。引いている手が輪ゴムの形を変え、伸びた輪ゴムは手やつないだ物体へ元へ戻ろうとする力を及ぼします。
磁石を鉄くぎへ近づけると、触れる前にくぎが動くことがあります。力を及ぼすために必ず接触が必要とは限りません。何が力を及ぼしたかは、位置関係を変えて確かめます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「力は動いている物体の中に入っているもの」という説明は使いません。力は、ある物体が別の物体へ及ぼす働きとして捉えます。手がボールへ、地球が本へ、磁石が鉄へ力を及ぼします。
「止まっている物体には力がない」という説明も修正します。止まっている本が落ちないのは、机が支えていることと関係します。見た目の動きがないだけで、力が一つもないとは限りません。
次のレッスンでは、力を加える前・加えている間・加えたあとの状態を台車、ばね、磁石で記録し、観察事実と説明を分けます。
自分で確かめよう
確認1:力が物体へ及ぼす主な働きを三つ以上挙げてください。
動かし始める・止める、速さや向きを変える、形を変える、物体を支える、の中から三つ以上挙げられます。確認2:机の上で止まっている本には力が働いていないと言えますか?
言えません。地球が本を引く力や、机が本を支える力などが働いています。確認3:磁石が鉄くぎへ触れていないのに、くぎが動きました。何が分かりますか?
接触していなくても、磁石が鉄くぎへ力を及ぼし、くぎの動きを変える場合があると分かります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。