LESSON 01

写真・図・注釈を読もう

写真・図・注釈を読もう 3|飛躍した結論を直す

資料の範囲を越えた一般化や因果の誤りを修正する。資料の条件と根拠を保って比較します。

写真・図・注釈を読もう:飛躍した結論を直す

このレッスンの位置

いまは「複数情報を比較する」コースの「写真・図・注釈を読もう」です。このレッスンでは、資料の範囲を越えた一般化や因果の誤りを修正することに集中します。到達点は「画像の範囲、説明文、凡例に注目し、本文を補う情報を取り出す。」です。

受け取る力:各資料の要旨、主張、根拠を一つずつ読み取る力
中心技能:誤解修正として、比較できる条件をそろえ、資料同士の関係を説明する
次へ渡す力:論理の妥当性を評価し、複数資料を使って自分の意見を書く力

複数資料の問題は、読む量が増えただけではありません。資料ごとに目的や表し方が違うため、同じ観点へそろえることが中心です。文章の印象だけでグラフを説明したり、数字だけで筆者の主張を決めたりしないようにします。

資料を読む前の確認

次の二つの資料を想像してください。

資料A:市の公園利用者へのアンケートでは、回答者の六割が「日陰のある休憩場所を増やしてほしい」と答えた。

資料B:公園の利用記録では、春より夏の正午前後に利用者が少なく、夕方に増える傾向があった。

二つは公園利用についてですが、Aは希望、Bは実際の利用時刻です。同じものを測ってはいません。まず資料の種類と条件を確かめます。

確認項目 資料A 資料B
発信者・作成者 市の調査担当 公園管理者
対象 アンケート回答者 記録された利用者
時期 調査実施期間 春・夏の観察日
測ったもの 希望・意見 人数・時刻
言えること 回答者の要望 時期別の利用傾向

比較の四段階

  1. 各資料の要旨を一文で書く。
  2. 対象・時期・単位・発信者を確認する。
  3. 同じ観点の情報を横に並べる。
  4. 共通点、相違点、補い合い、食い違いを区別して結論を書く。
写真・図・注釈を読もうの資料比較モデル 文章資料と表やグラフを比較表にそろえ、共通点、相違点、結論へ進む図 資料A:文章主張・理由 資料B:表・図数値・変化 比較表へそろえる対象・時期・単位同じ観点で並べる 結論根拠を明記

小さなグラフを正確に読む

次の表は、図書館の利用者数を示した架空のデータです。

時間帯 平日 休日
9〜12時 40人 75人
12〜15時 55人 110人
15〜18時 90人 95人

「休日はいつでも平日より二倍多い」とは言えません。15〜18時は近い人数です。「休日は午前から15時まで平日より多く、15時以降は差が小さい」が表の範囲に合います。

グラフでは、縦軸の単位、目盛りの始まり、期間、割合か実数かを確認します。棒の高さの印象だけで差の大きさを判断しません。

資料同士の四つの関係

共通する

異なる資料が同じ傾向や考えを示します。ただし対象や時期が違えば、完全に同じ結論とは限りません。

異なる

結果が違うときは、どの観点が違うかを書きます。「違う」で終えず、対象、時期、方法、立場を確かめます。

補い合う

文章の理由をデータが具体化したり、グラフの変化を文章が説明したりします。どちらが何を補うかを明記します。

食い違う

同じ問いに反対の答えを示す場合です。どちらかをすぐ誤りとせず、調査条件や発信者を比べます。

よくある誤り

一つの資料だけで答える、割合と人数を混同する、相関を因果だと決める、写真から見えないことまで推測する、資料の対象を全体へ広げる、という誤りがあります。

たとえば「運動時間が長い生徒ほど成績が高い」という関係だけで、「運動すれば必ず成績が上がる」とは言えません。別の要因や調査方法を確認する必要があります。

入試記述の型

「資料Aは〇〇を示し、資料Bは△△を示す。両者から、□□という点は共通するが、対象(または時期・立場)には◇◇という違いがある」と書きます。

結論には、どの資料のどの情報を使ったかを含めます。資料番号だけでなく、数値・傾向・主張を短く示すと根拠が明確になります。

練習のしかた

初日は二資料を比較表にします。翌日は資料を見ずに結論を書き、資料へ戻って範囲を確認します。三日後は文章・グラフ・写真の三資料へ増やします。誤答は「条件不一致」「単位混同」「一資料のみ」「因果の飛躍」「範囲の拡大」に分類します。

理解チェック1:比較の前にそろえるものは?対象、時期、単位、発信者、測った内容など、同じ観点で比べられる条件です。
理解チェック2:二つの資料が違う結果なら、どちらかが誤り?すぐには決められません。対象や時期、方法、立場の違いが結果へ影響していないか確認します。
理解チェック3:相関と因果の違いは?相関は二つが一緒に変化する関係、因果は一方がもう一方を起こす関係です。相関だけで因果は証明できません。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。